国内の医薬品添加剤に係るGMP自主基準は、2014年に日本医薬品添加剤協会が「IPEC-PQG合同GMPガイド2006」との整合性をはかるため「医薬品添加剤GMP自主基準2014」を策定しました。作成されたGMP自主基準は、医薬品添加剤製造業者のGMPの必須要件を適切に監査するための重要な基準であり、国際整合等を踏まえ、修正を行う必要があると考えていたことから、厚生労働科学研究補助金 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究事業にて検討され、平成28年8月24日に厚生労働省から事務連絡「医薬品添加剤GMP自主基準2016」として発出されました。
医薬品添加剤GMP自主基準 2016
その後、IPEC-PQG合同GMPガイドの改訂やPIC/S 原料の供給者管理関連の文書等を参考に、国際基準に合わせて「医薬品添加剤GMP自主基準2016」の一部を改正し「医薬品添加剤GMP監査基準」を策定いたしました。この改正には、データ完全性やリスク評価、元素不純物など、現在医薬品添加剤として求められる品質保証上の要件が加味されています。
国内の医薬品添加剤製造企業がこの国際基準に準拠した「医薬品添加剤GMP監査基準」を参照し、高品質の医薬品添加剤を供給し、品質保証レベルの継続的な向上をめざすために監査の基準といたします。
2022年8月1日
医薬品添加剤GMP適合審査会
データの完全性 DATA INTEGRITY ALCOA+
データインテグリティの重要性についてはすでにWHOやPIC/Sなど世界的な医薬品関連の規制団体で、その重要性についての文書が出されています。
FDAではデータがALCOAの原則に基づいていることが「データの完全性」であるとしています。完全で、一貫性のある正確な文書が守るべき5つの要件「帰属性・判読性・同時性・原本性・正確性」が具体的に何を求めているかを解説します。